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2007年2月27日 (火)

辞書の使い方のコツ

 専攻の学科で外国語を学ぶ時に、辞書は不可欠です。たくさんの辞書がある中で、一冊の辞書をとことん使いこなせるようになるべきだという考え方もありますし、複数の辞書を参照しなければ危険だという考え方もあります。

 

 しかし、いずれにせよ「最初の一冊」を手に入れなくてはなりません。幸か不幸か、現在、日本でのスペイン語辞書の出版点数は英語などの辞書に比べて遥かに少ないので、たやすく比較検討することができます。

 比較検討する際には、①収録語数、②記述の内容と形式など、辞書の本質的機能に関わる特徴のほかに、③価格、④デザイン(判型、厚さ、表紙の色、字体、本 文レイアウト、紙の質など)、⑤引き心地の良し悪しなども考慮しましょう。ここでは特に①~③を中心に、いくつかの辞書を紹介し、その比較検討の参考に供 します。これをもとに、各自が書店で実際に手にとって見た上で「最初の一冊」を決定してください。

西和辞典

(1)    宮城昇, 山田善郎『現代スペイン語辞典(改訂版)』白水社, 1999(4,200円)46,500語
(2)    桑名一博他『西和中辞典』小学館, 1990(6,426円)67,000語
(3)    カルロス・ルビオ, 上田博人『新スペイン語辞典』研究社, 1992(5,103円)37,000語
(4)    原 誠他『クラウン西和辞典』三省堂, 2005(4,935円)45,000語?[帯・ケースには52,000語とあるが・・・]
(5)    高橋正武『西和辞典(増訂版)』白水社, 1979(3,780円)68,370語 ★版元品切れ重版未定
(6)    瓜谷良平『イラスト入りスペイン語辞典』大学書林, 1969(4,515円)26,500語
(7)    三好準之助『簡約スペイン語辞典』大学書林, 2000(3,360円)33,000語
(8)    宮城昇, 宮本博司『スペイン語ミニ辞典(改訂版)』白水社, 2003(2,940円)15,400語/4,700語
(9)    鼓直他『小学館プログレッシブスペイン語辞典(第2版)』小学館, 1999(3,675円)25,000語
(10)高橋正武『西和小辞典(二訂版)』白水社, 1981(2,039円)34,978語
(11)宮本博司『パスポート初級スペイン語辞典』白水社, 1997(2,940円)8,800語
(12)高垣敏博他『ポケットプログレッシブ西和・和西辞典』小学館, 2003(2,940円)45,000語/15,000語

和西辞典

(13)宮城昇, エンリケ・コントレラス『和西辞典(改訂版)』白水社, 2000(4,725円)35,000語
(14)上田博人他『クラウン和西辞典』三省堂, 2004(4,725円)約30,000語
(15)エドゥアルド・ロペス・エレーロ『ローマ字和西辞典』柏プラーノ, 1995(5,301円)9,000語
(16)宮本博司『現代和西辞典』大学書林, 1995(3,990円)23,000 語

西西辞典

(17)F. Marsá. Diccionario PLANETA de la lengua española usual. Editorial Planeta, 1992.
(18)Concepción Maldonado Gonzáles. Clave, diccionario de uso del español actual. Ediciones sm, 1997.

電子辞書
(19) CASIO Ex-word XD-L7550白水社「現代スペイン語辞典」、白水社「和西辞典」
(20) SHARP Papyrus + コンテンツカード(スペイン語)白水社「現代スペイン語辞典」、白水社「和西辞典」

西和辞典で知らない単語の語義を調べる

 gastroenteritis(女性名詞、胃腸炎)やornitorrinco(男性名詞、カモノハシ)、lingüista(女性名詞、言語学者) などは、西和辞典で調べて、スペイン語→日本語という単純な置換えをすれば意味がわかります。スペイン語の単語と日本語の単語とが一対一対応になっている からです。 

 しかし、病名や動植物名、幾つかの術語・専門用語を除くと、あるスペイン語の単語を辞書で調べた場合、複数の意味が日本語で書かれていることの方が圧倒 的に多いのです。したがって調べた単語が複数の意味(専門的には「語義」といいます)を持っている場合、その中のどれが適切な意味なのかを考えなければな りません。

 とりあえず調べた単語の最初の語義を当てはめてみましょう。その結果、訳文の意味が理に適ったものになっていればひとまずOKです。ところが、どう考え てもそれでは文の意味がおかしい、ということもあります。その単語は別の意味で使われている可能性が高いからです。そこで、辞書に出ている2番目の語義、 3番目の語義、と順に当てはめてみます。文の意味がうまく成立するまで、この作業を繰り返して、不明の単語に対する適切な語義をみつけます。

 「cuatro radios amarillosが付いている自動車が道端に放置されたままになっている」という小説の文がありました。cuatroは「4個の」、 amarillosは「黄色い」です。radioを辞書で引いてみましょう。例えば上のリスト〈1〉の『現代スペイン語辞典(改訂版)』には、

radio(女)ラジオ[の受信機]、ラジオ放送、ラジオ放送局。(男)①《数学》半径、②[車輪の]輻(や)、スポーク、③《元素》ラジウム、④《解剖》橈骨(とうこつ)、⑤無線電報、⑥《中南米》ラジオ。

と出ています。女性名詞のラジオや男性名詞⑥のラジオの意味で解釈して「4つの黄色いカーラジオが付いている車」と考えるとちょっと変でしょう。他の語義 の可能性を検討すると、この場合男性名詞②のスポーク(車輪の輻)が該当し、「車輪のホイールの部分が黄色い車」だということが分かるわけです。因みにラ ジオなんて単語は知ってるからと、辞書を引かなかった初学者はこの文の意味が不明のまま終わりということですね.。ついでに。amarillosという形 容詞の語形からここのradiosが男性名詞だということも、実は分かるのですけれどね。

名詞から先に調べる

 tomar una decisiónのような[動詞+名詞]の連結で、tomarもdecisiónもともに意味が不明の場合は、必ず名詞から(この場合はdecisión から)辞書を引くようにしましょう。このような連結構造の場合、動詞の意味はどの名詞と連結するかによって決まるからです。日本語の「決断を下す」という 表現で、動詞「下す」が「下痢をする」や「他に打ち勝つ」という意味ではなく、「最終的な意思をうちだす」という意味になることが、名詞「決断」と組み合 わさることによって初めて決定するのと同じです。同様に形容詞と名詞との組合せの場合も名詞から調べましょう。

[安富 (協力:小池先生)]    (新入生ガイドブックからの転載)

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