図書紹介:スペインのBARがわかる本
スペインではだれもがBAR(バル)をこよなく愛しています。スペインに行く日本人もみなバルの魅力にとりつかれてしまいます。そのせいか、最近は日本でもスペイン風のバルをずいぶん見かけるようになりました。こんな時代が来るとは正直思ってもみませんでした。
さて、それでは、本場のスペイン・バルとはどのような場所なのでしょうか。
そこでご紹介するのが「スペインのBARがわかる本—グラナダ・バルの調査記録報告書 (川口 剛:バルク・カンパニー)」です。
2000年に1ヶ月あまりスペイン南部のグラナダに滞在した著者が、数々のバルに通って書き上げた一冊です。
副題には「グラナダ・バルの調査記録報告書」とあります。この副題は、調査研究機関が本格的で大規模なリサーチをかけた末のリポートという印象を与えますが、内容は決してそういう大仰なものではありません。副題の与える印象はとりあえず措いたほうがよいでしょう。おおざっぱに言ってしまえば本書は、著者の個人的な「バル偏愛紀行文」という一品です。著者はひたすら一人でバルに立ち寄っては、その店の様子をスケッチしてみたり、スペイン人のお客同士のおしゃべりを立ち聞きしてみたりしてこの本を書いています。
時に著者は、バルで飲食を終えて店を出たお客たちの後をこっそりつけて、彼らが次にどこへ行くかを確かめます。そして実に84%のお客が、バルを出た後は半径300メートル以内のどこかに向かうということを割り出すのです。このことから著者は、バルと地域の人々が密接な関係にあると結論づけます。この一項は興味深く読みましたし、こまめに足で取材した著者の努力を私は評価します。
とはいうものの、本書はもう少し気楽に読んで良いでしょう。バルとはそもそもどんなところなのか、何が食べられるのか、何が飲めるのか。そういうバルについて基礎的な情報は十分得られると思います。(後略)
[瓜谷]
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