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2007年7月 2日 (月)

スペイン語の疑問:親族名詞と冠詞

 さて、南山大学の高橋先生に今度はpapáなどの親族名詞に冠詞がつかないことがある理由を尋ねてみましょう。

padre, madre, abuelo, tía など決まっている人なのに,しばしば定冠詞がついていないのはなぜですか?

定冠詞の働きのひとつは,普通名詞の固有名詞化です。種族を表わす普通名詞に定冠詞をつけると特定の対象を表わすということです。逆にいうと,固有名詞はそれ自体で定冠詞の要素を含んでいるのです。

日本語でちいさな男の子は自分のことを「僕」と呼びます。スペイン語の人称代名詞 yo に相当します。ところが,親族はその表現を可愛く思って「僕ちゃんはどこにいるの?」とか「僕ちゃんは可愛いね」,あるいは迷子になった男の子に「僕のママの名前は何かな?」なんて言うことが有ります。ここでは「僕」は固有名詞の代りをしている訳です。定冠詞による普通名詞の固有名詞化現象と一脈を通じるものがありますね。

家族内では「パパ」といえば特定の人を指し,「おばあちゃん」と言えば具体的な人を指します。スペイン語ではこのとき定冠詞を抜かして,大文字で書くことがあります。定冠詞抜きで,固有名詞化したわけです。以下の例で abuela の前に定冠詞がないのがその例です。欠如をφで明示してあります。

Iba conducida de la mano de φ abuela. (ZVTB 143) 私はおばあちゃんの手に引かれて出かけたものです.
スペイン語の敬称は文中では必ず定冠詞をつけます。ところが呼び掛けるときは定冠詞を省きます。呼び掛けの場合はその場で具体的に人が特定されているからであるという「親族名詞の定冠詞省略」と同じ現象と説明するのは無理があるかなあ?

http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/%7Ektaka/dicgram/dicgram.htmからの引用でした。

[瓜谷]

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